HOMO SAPIENS
ずいぶん前から気になっていた映画があって
今日ようやく重い腰をプカリとあげてみたわけだ。
『 人類遺産 』
映画というより映像作品といった感じだろうか。
廃墟となった光景が次々と、淡々と映し出される。
そこには言葉はない。視点の移動もない。音楽や演出もない。
ニンゲンの気配が何もない世界が延々と映し出されている。
雨音、風鳴り、羽ばたき、羽音。
映像を観ながら、誰もいなくなった世界の中で
ニンゲンが滅んでしまった『未来』にたったひとり
たたずんでいるような気になったり、
かつては賑わいがあったであろう『過去』を思い馳せたり、
『現在』の私は時空の居所がよくわからなくなった。
上映が終わったあとの帰路。
渋谷の街の人混みの中で
そのギャップに
なんとも言えない気持ちになる。
「…そういや」
渋谷に来たのはいつ以来だろう。
本当に久しぶりだな。プカリ。